幻想モッシュピット編集部Blog

東方バンドアレンジ情報誌「幻想モッシュピット」のブログです。2013.5.26博麗神社例大祭にて創刊予定。
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例大祭11CDレビューVol.1 - Retractable「Awakening World」
超お久しぶりですこんばんは。編集長のtomo1です。
気がついたら半年以上も更新間隔が空いていました。紅楼夢後、C85の前後にすらまったく更新をしていないとは...w

去る例大祭11ではGMP Vol.2をhicさんのスペースで少しだけ委託させて頂きました。
お手に取ってくれた皆さんありがとうございました。

C85以降、GMP編集部としてはまったく活動を行っていません。といっても別に活動休止を打ち出しているわけではなく、私を含め誰かが「これをやろう!」と言い出していないから動いていないだけで、誰かが言い出して編集部のみんなが呼応すれば、また雑誌を作ったりライブを企画したりすることは可能だと考えます。私個人としてもあれをやりたいこれをやりたいという企画案はいくつかまとまりつつあるので、近いうちにさわりだけでも何かしら発表できればいいなと考えています。

さて、例大祭11、私は不参加だったのですが、アレンジCDの新譜を何枚か通販+おつかい(ばーばらさんありがとうございました)で購入したので、気になった作品のレビューを何枚か書かせて頂きたいと思います。本誌記事記載時と同じように書いてみたかったので、以下、常体の文章になりますがご容赦を。


1枚目はこちら。
Retractable「Awakening World」

レビューの本題に入る前にまずはこちら、ニコニコでFull公開されているTr.7「停滞加速余命幾許」を聴いて頂きたい。



冒頭からせわしなく暴れまわるピアノのフレーズ、音という音の隙間を埋め尽くすかのようなドラム、そこにグルーヴィーに絡んでいくベース音。そしてその上に乗っかるシンセのピコピコ音の心地いいこと!絶妙のタイミングで挟まれるテンポチェンジや変拍子が加わり、まったく次の展開が予測不能のまま、ジェットコースターのごとくあっという間に4分50秒が過ぎ去ってしまう。
Retractableの楽曲は基本的にすべて打ち込みだが、打ち込みの無機質さはまったく感じられず、むしろヘタな生演奏音源よりよっぽど生き生きとしている。特にTr.1「覚醒」の1:12あたりからの展開は息を呑むような生々しさを覚えた。歌のないインスト楽曲なのに、歌声よりも饒舌なメッセージが楽曲に込められているようにすら感じる。

と、ここまで紹介しておいて、Retractableのアレンジャー・つきいちは楽器演奏ができない、という事実を紹介すると、どれくらいの読者が驚くだろうか。

本人がツイッターで楽器ができないと公言していた時、流石に私は「...うそやろ?」と思わざるをえなかった。

自分で演奏するにしろ、打ち込みで楽曲制作をするにしろ、楽器(特にメロディーの鳴る楽器)のできない人が曲を作るのは、正直いって至難の業だ。曲を作るのに必要なルールや理論は勉強すれば誰でも身につくものだが、それを守った上で各楽器のフレーズを思いつき組み立てていく段階になると、「この奏法はこういう風に使うんだな」とか「このドラムとこのベースのフレーズを掛け合わせるとこういう風になるんだな」などといった実際の演奏経験から得られるノウハウがないと、組み立てかたが分からない、あるいはフレーズ自体を思いつくことができない。音楽好きなら誰でもそうだと思うが、頭の中だけでならいくらでも名曲ができる。しかし、現実の音にアウトプットするのにはとてつもない努力が必要になるのだ。

これは自分の想像に過ぎないけれども、つきいち氏は「こういう曲を作りたい!」というところから出発して、そのイメージをアウトプットするのにあちこち大変な回り道をして楽曲を作っていったのだと思う。しかしその回り道の途中で拾っていった色んなものの総体と、元々作りたかったイメージが融合して、現在のRetractableのスタイルができあがってきたのではないだろうか。私はそこに従来の東方バンドアレンジとは明らかに一線を画した存在感と、「楽器ができないこと」によるアドバンテージを感じざるを得ない。

BT氏によってジャケットに描かれている単眼こいしちゃんのごとく、他のバンドマンとはまったく違うものの見方で音楽を捉え作り上げられた、異色の、しかし異様に説得力のある作品。ぜひつきいちワールドを味わっていただきたい。

​Awakening Worldの通販ページはこちらから.
tomo1 | 23:19 | comments(0) | - | - |

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